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大阪地方裁判所 昭和59年(わ)5390号 判決 1985年3月15日

本籍

愛媛県温泉郡中島町大字大浦六六五番地

住居

大阪府豊中市曽根西町三丁目一番一六号

春日マンション一階一号

鍼灸整骨業及び飲食店経営

俊成昭郎

昭和一七年七月二二日生

右の者に対する所得税法違反被告事件につき、当裁判所は、検察官鞍元健伸出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。

主文

一、被告人を懲役一年及び罰金一、一〇〇万円に処する。

一、右罰金を完納することができないときは、金五万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

一、この裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人は、大阪府豊中市曽根西町三丁目一番一八号において「俊成鍼灸整骨院」の名称で鍼灸整骨業を営むほか、同伴旅館あるいは「関西土地」の名称で不動産業を営んでいたものであるが、自己の所得税を免れようと企て、収支に関する記帳を行わず、仮名の預金で資産を留保するなどの方法により所得を秘匿したうえ、

第一  昭和五六年分の実際所得金額が三、六七四万九、二〇一円(別紙(一)修正損益計算書参照)あったのにかかわらず、同五七年三月一三日、大阪府池田市城南二丁目一番八号所在の所轄豊能税務署において、同税務署長に対し、同五六年分の所得金額は二七六万九、四四八円の欠損で納付すべき所得税額は存しない旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同五六年分の正規の所得税額一、五六四万二、七〇〇円を免れ、

第二  昭和五七年分の実際所得金額が二、〇七四万八、一三三円(別紙(二)修正損益計算書参照)あったのにかかわらず、同五八年三月一四日、前記税務署において、同税務署長に対し、同五七年分の所得金額は一二六万六、九五三円の欠損で納付すべき所得税額は存しない旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同五七年分の正規の所得税額七〇四万七、三〇〇円を免れ、

第三  昭和五八年分の実際所得金額が四、〇五七万七〇四円(別紙(三)修正損益計算書参照)あったのにかかわらず、同五九年三月一四日、前記税務署において、同税務署長に対し、同五八年分の所得金額は一〇〇万円の欠損で納付すべき所得税額は存しない旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同五八年分の正規の所得税額一、八五八万七、二〇〇円を免れ

たものである。

(証拠の標目)

一、被告人の当公判廷における供述

一、被告人の検察官に対する供述調書

一、収税官吏の被告人に対する各質問てん末書一七通

一、俊成和貴子の検察官に対する供述調書

一、収税官吏の煤賀房枝、和田忠三、冨田昌子、原田皓子、小川稔子、木村佳久、佐藤桂四郎、朝倉一能、亀岡三喜雄に対する各質問てん末書

一、有限会社山陽商会、大野修、中川安株式会社関西圏支社、大阪府豊中市役所各作成の各照会回答書

一、國税査察官作成の各調査報告書

一、収税官吏作成の査察官調査書一九通

一、被告人作成の所得税確定申告書謄本三通

一、収税官吏作成の脱税額計算書三通

(法令の適用)

被告人の判示各所為は、いずれも所得税法二三八条一項に該当し、いずれも所定の懲役と罰金を併科し、以上は、刑法四五条前段の併合罪であるから、懲役刑については同法四七条本文、一〇条により最も犯情の重い判示第三の罪の刑に法定の加重をし、罰金刑については同法四八条二項により罰金額を合算し、右加重をした刑期及び合算した金額の範囲内で、被告人を懲役一年及び罰金一、一〇〇万円に処し、同法一八条により右罰金を完納することができないときは、金五万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置し、情状により同法二五条一項によりこの裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予することとする。

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 金山薫)

別紙(一) 修正損益計算書(総所得)

自昭和56年1月1日

至昭和56年12月31日

<省略>

修正損益計算書(事業所得)

自昭和56年1月1日

至昭和56年12月31日

<省略>

<省略>

修正損益計算書(分離課税分土地等に係る事業所得)

自昭和56年1月1日

至昭和56年12月31日

<省略>

別紙(二) 修正損益計算書(総所得)

自昭和57年1月1日

至昭和57年12月31日

<省略>

修正損益計算書(事業所得)

自昭和57年1月1日

至昭和57年12月31日

<省略>

<省略>

修正損益計算書(分離課税分土地等に係る事業所得)

自昭和57年1月1日

至昭和57年12月31日

<省略>

別紙(三) 修正損益計算書(総所得)

自昭和58年1月1日

至昭和58年12月31日

<省略>

修正損益計算書(事業所得)

自昭和58年1月1日

至昭和58年12月31日

<省略>

修正損益計算書(事業所得)

自昭和58年1月1日

至昭和58年12月31日

<省略>

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